細部が
建築を
守る。

「品質」

細部に宿る、建築の寿命。
― シーリングは建物の寿命を左右する ―

「意匠」

陰翳礼讃
― 細部の美しさが空間を整える ―

細部に宿る、建築の寿命。

― シーリングは建物の寿命を左右する ―

シーリングは、外壁の目地を仕上げる重要な工程です。
幅わずか2cm前後の目地ですが、
建物の劣化や漏水の多くはここから始まります。
施工と管理の差は、仕上がりの「品質」と「意匠性」に大きく表れます。
品質は耐久性や将来の維持管理費に、意匠性は建物の印象や価値に影響します。
改修を重ねるほど美観は損なわれやすいため、
新築時のシーリングの精度が、建物の長期的な価値を左右します。

Quality

品質

長持ちさせるのは、
素材ではなく
「品質」です。

建築構造や建物の方角、外壁材やその色、さらには目地幅や深さといった建築条件によって差はありますが、シーリングの品質は、その耐久年数に明確な違いとして表れます。高い品質で施工されたシーリングは、
20〜30年にわたり性能を維持します。
一方、一般的な品質のシーリングでは10〜15年程度、近年では、
2〜3年ほどで劣化が進む施工例も散見されます。

Design
Quality

意匠性

意匠性評価で見るポイント

01.

仕上げ面が綺麗

表面にムラや凹凸がなく、均一で滑らかに仕上がっていること。丁寧な施工は光の当たり方まで整え、建物全体の美しさを引き立てます。

02.

シールラインが綺麗

目地のラインがまっすぐ通り、幅が均一で整っていること。ラインの精度が高いほど、外観に上質さと品格が生まれます。

仕上げ面が綺麗で無いとは

01 / 線かぶり

目地直線部において、シール材が目地表面を超えて立ち上がり、意匠性を大きく損ないます。
シール仕上げは養生テープとシール材の縁をヘラで切りますが、ヘラ押えが甘かったり養生テープの位置が不適切だと線かぶりが発生します。

02 / 角かぶり

目地交差部の角において、シール材が目地表面を超えて立ち上がり、意匠性を損ないます。
シール仕上げは養生テープとシール材の縁をヘラで切りますが、ヘラ押えが甘かったり養生テープの位置が不適切だと角かぶりが発生します。

03 / 抜き

シール仕上げはヘラで目地を押えて行いますが、ヘラを目地から離す時にこの抜きが残ります。
目地表面が平滑でなくなり、意匠性を損ないます。また、この抜きを消すには手間が掛かります。その手間を掛けるのか省くのか、ここに職人の仕事に対する姿勢が最も現れます。

04 / 段差

主に目地交差部において、段差ができ表面の平滑性を損ないます。シール仕上げは目地横の当りを頼りに目地へのヘラ圧を調整して行いますが、この圧調整不良によって段差が発生します。

05 / あばた

目地全般において、あばた状に小さな凹みができ表面の平滑性を損ないます。目地の前工程不良を放置したまま施工したり、材料充填で手間を惜しむとあばたが発生します。

06 / ひげ

タイルや石取合の目地交差部において、ヒゲの様にシール材が横に飛び出し意匠性を損ないます。シール仕上げ深さの設定ミス、若しくはタイル目地や石目地の仕上げ深さとシール仕上げの深さ調整不足により発生します。

シールラインが綺麗で無いとは

01 / 目地の角から
3ミリ以上

目地全般において、養生テープを張る位置が目地の角から3ミリ以上逃げると、意匠性を大きく損ないます。テープを角近くで張ると線かぶりや角かぶりのリスクが高まる為そのリスク回避、また意匠性よりもスピードを優先するとこういった仕上げとなります。
※基本0〜2ミリ

02 / 線引き

目地全般において、表面にヘラ跡によって線を引いた様な仕上がりになっている状態で、目地意匠の一体性が損なわれています。テープが逃げ過ぎた時に発生します。

03 / 非直線

目地全般において、目地ラインが波打ったり曲がっている状態で、外観の意匠性を損ないます。養生テープが蛇行して張られた時に発生し、目地の角から3ミリ以上、線引きを誘発します。

04 / テープ厚かぶり

目地直線部において、シール材が目地表面をわずかに超えて立ち上がり、意匠性を損ないます。シール仕上げは養生テープとシール材の縁をヘラで切りますが、ヘラ押えが甘いと発生します。境界が滑らかに仕上がらず、シャープさに欠けた印象となります。

Functional Quality

機能性

建物寿命を縮める、
3つの真実

すぐには雨漏りしない構造

多くの建物は、万が一シーリングに不具合があっても、
すぐに雨漏りしない納まりになっています。
つまり、施工が適切でなくても直ちに問題として
表面化するとは限りません。
しかしその内部では、静かに水の侵入が始まることがあります。

気づかれない漏水

漏水には二つの種類があります。
「内部漏水」の場合、住人も建物所有者も気づかないまま数年から十数年にわたり劣化が進行します。

表面漏水

住人が雨漏りとして気づくもの

内部漏水

タイル裏や外壁内部に侵入する水

見えない劣化

内部漏水は、次のような問題を引き起こします。

タイル浮き

タイル剥落

ひび割れ(クラック)

躯体劣化

つまり、
建物の寿命を静かに
削っていくのです。

Asset
Quality

資産性

品質差が見えにくい仕事

シーリングの難しさはここにあります。
漏水と言う問題が起きたとき、
その原因が特定できないケースが少なくありません。
そのため多くの場合、
元請による補修や15年後に行われる改修工事として処理され、
施工品質の差が市場に現れにくいという構造があります。

建物の長寿命化という時代

しかし現在、建築を取り巻く状況は変わりつつあります。
かつてマンションの寿命は約30年と考えられていました。
しかし今では60年〜100年という長期利用が前提になっています。
すると、これまで見えにくかった内部漏水の影響が大きな問題になります。

建物寿命と維持費

シーリングの品質は、

  • 技術
  • 建物寿命
  • 維持費

という形で建物の価値に影響します。
例えばマンションでは30年間の維持費は数千万円、規模によっては数億円規模になります。
もしシーリング品質によって劣化が10年遅れれば、数千万円から億単位の価値を生む可能性があります。

「シーリングは
維持費削減技術」

つまりシーリングは、建築費の中では小さな工事ですが、
物の維持費を抑える重要な技術でもあります。

建物の寿命を
守る仕事

シーリングは建物の中で最も小さな工事かもしれません。
しかしこれまで50数年、新築から改修まで数多くのシーリングを見つめてきた私たちは知っています。
その小さな細部が、建物の寿命を左右していることを。
だからこそ私たちは、完成直後ではなく10年後、20年後の建物を見据えて施工をしています。